Moda Black: Jaymo and Andy Georgeインタビュー

Moda Black: Jaymo and Andy George interview Main Image

Jaymo and Andy Greorgeのような人たちは、世の中には不可能なことなんてないと証明するために生きているのだと思う。この謎に包まれたDJ兼プロデューサー、そしてレーベルも運営する2人組は、クラブミュージックの世界でどん底から頂点まで登り詰めてきた。2008年にイギリスの小さな街リンコーンで、クラブイベント運営の経験ゼロにも関わらずフライヤーを配りながらModaコンセプトを始めた。

たったの4年間で、2人は音楽の帝国を築き上げる。世界的に有名なロンドンのクラブFabricで行われた、キャパ7000人のレイブイベントのチケットは完売、BBC Radio1の番組Essential Mixに史上最年少のDJとして登場、さらにはひとつではなく2つのレコードレーベルを立ち上げた。それがModa MusicとModa Blackだ。2人の秘密? それはあらゆる音楽のいいとこ取りな折衷主義、そして革新的で、真の努力家だということ。Moda Blackから新たに発売されるコンピレーションアルバムは、これまでのModaレーベルの歴史における頂点であり、新たな成功を世に見せつけたアルバムでもある。Eats EverythingやThe 2 Bears、Hot Since 82、Disclosureなど今年話題のアーティストたちによる13曲のミックスとリミックス数曲を収録。どの曲も100%アルバムオリジナルとなっている。

音楽に対しては「何でもあり」という姿勢は、この2人もTokyo Indieもまったく同じ。2人に5分間のインタビューを行い、Moda物語と新作のコンピレーションについて語ってもらった。

どうも、こんにちは。最近の調子は?

すごくいいよ! 準備には数ヶ月かかったし、労力のいる作業だったけど、やっと新作を出すまでにたどり着いた。長い時間だったよ!

新作のコンピレーションアルバム”Moda Black” がもうすぐ発売になりますね(7月9日に発売済み)! 楽しみですか? このプロジェクトはいつから始まったの?

新しい姉妹レーベルModa Blackを世界に紹介するためにはコンピレーションを出すのがうってつけの手段だと思ったんだ。根本の狙いは、Mia DoraやJettなど僕らのレーベルと契約した新しいアーティストに加え、DisclosureやShadow Child、Eats Everythingのような僕らがお勧めする大注目のアーティストを紹介するというところから始まった。楽曲すべてが自然に流れていくようなミックスにしたかったから、正直どうなるかはわからなかったけれど、いいミックスが作れたと今は思ってる。これを実現するために、関わったすべてのアーティストとチームが一緒に努力して作り上げた最高傑作だからこそ、発表するのがとても楽しみだ。楽曲はぜんぶアルバムオリジナルだから、すべて非のうちどころがないんだ。


どうやって参加するアーティストや楽曲を選んだんですか?

成り行きで決まった。僕らは毎日ありとあらゆる音楽に触れていて、始まった当初からModa Blackに参加するだろうなと思うアーティストたちと家族のような付き合いをしてきたんだ。すべての楽曲ひとつひとつには裏に隠された小さな物語があるんだよ。たとえば、LukasやDisclosureのように、僕らがこのプロジェクトに参加してもらいたいと思ったプロデューサーもいれば、Moda Blackから個別にEPを出したアーティストたちに関しては、レーベル初のミックスアルバムにおいてぜひ紹介したくて参加してもらった。Nick MonacoやKill Frenzyはデモを送ってくれて、すぐに気に入ったのでクラブで流し、契約を即決した。アーティストたちと仕事をすることは僕らにとっては重要なことで、それがアーティストたちにとっても有益なことであってほしいと思っている。アーティストが集まってできた家族みたいな感じだよ。

アルバムの中でお勧めの1曲は?

正直選べないよ。すべての曲がそれぞれ違った理由で素晴らしいんだ。ぜんぶクラブで流すけど、時間帯や雰囲気によって流す曲は違うんだ。

Moda BlackとModa Musicの関係は?

陰陽の関係みたいに、2つのレーベルがお互いに調和すると同時に、違うことをやっている、そんな関係にしていきたいんだ。Moda Musicは、今までやってきたようにバンドやアーティストのライブ、それからディスコなど軽めのサウンドを中心に。Moda Blackは少しダークな音楽を。この2つのレーベルの境は曖昧になることもあるけどね。Moda Musicから出される次のEPは、フランス出身のPlezierによるもの。Claude Von Strokeもコンピレーションアルバムへ提供する一方で、すでにA面の収録を始めている。オーディエンスが両方のレーベルを楽しんでくれるといいな。

これからコンピレーションアルバムは定期的に出されるようになると思う?

そう願うよ! みんなが想像するよりもハードで何ヶ月もかかるものだけど、シリーズ化するといいなとは思っている。もしそうなら今から次のアルバム作りを始めなきゃ!

Jaymo and Andy George、Moda Blackのコンピレーションアルバムについての詳細はこちらから。

執筆:Mark Birtles

翻訳:永田 衣緒菜

2012年7月25日