朝6時、たっぷり楽しんだ晩の翌朝、皆クラブからおぼつかない足取りで這い出る。中には運び出されている人もいたりして。そして凍てつく朝の空気の中に飛び出すのだ。天上から降り注ぐ眩いばかりの日差しに目を細め、寝不足かビールの飲み過ぎか知らないが、体の節々が痛む…。クラバーなら誰でも一度は経験しているに違いないこの感覚。
しかし、我々が立ち去った後はどんな風になっているのだろう…。ドイツ人写真家André GiesermannとDaniel Schulz が“The Morning After” (翌朝)と題し一風変わった作品集を発表した。このプロジェクトは、ドイツのナイト・スポットへ大きなイベントのあった翌朝出向き、そのありのままの様子を写すというものだ。
昨夜の残骸が日中の澄み透った日の光に照らされ、人影がないにも関わらずこれらの写真は見る者へ訴えかける。まるでアルコールの味、タバコの匂い、がらんどうの空間に鳴り渡るベース音の余韻を感じることができるかのようだ。ドイツのナイト・ライフのなかなか見ることのない一面を剥き出しにしたこれらの写真は、興味深く、何か考えさせるようで、そしてどうしようもなく悲しい…・。少なくとも片づけをする人にはだけど。
執筆:Mark Birtles
翻訳:小堤 明日香
2012年5月1日