草間彌生 ― ドットの女王

Yayoi Kusama - The Polka Dot Queen Main Image

2012年は日本が誇るコンテンポラリー・アーティスト草間彌生にとって、また新たなリバイバルの年となりそう。すでに傘寿を迎えた彼女は日本でものどかな地域の出身だったが、ニューヨークへ渡り、Claes Oldenberg、Andy Warhol、Donald Juddといった面々と共にアート・シーンで活躍することで、一躍脚光を浴びるようになった。水玉模様を使った作品がトレードマークの彼女、常に自身の作風をより新しいものへ新しいものへと変えていきながら、ありとあらゆる素材を用いて制作活動を続け今日に至る。

今年は歴史あるファッションブランド、ルイ・ヴィトンとコラボレーションし、その新作は7月上旬に発売となる予定。ルイ・ヴィトン社のプレス担当は、デザイナーのMarc Jacobsが「草間彌生の長年のファン」だと言い、彼女の作品がロンドンのNew Bond Sreetにある同ブランドの英国旗艦店に展示される予定であることを明らかにした。また、ルイ・ヴィトン は6月上旬までテート・モダンで開催される草間彌生展のスポンサーでもある。

このテート・モダンでの展覧会は、英国で開催される草間の展覧会としては過去最大規模のものとなり、作品がそれぞれの時代に沿って時系列順に展示。作品の多くが強迫観念や心理的な葛藤に関係しているのが特徴だが、彼女は精神的な病を患っており、1977年からは自らの意思で精神科病院を住まいとしている。自身の感覚を他者と共有すべく、無限に続く水玉模様や網目、果てしない鏡張りの空間などといった、強迫観念に囚われた草間の視界に実際に観客を引きずり込むようなインスタレーションを制作。テート・モダンはこの展覧会を「草間のファンにとっても、まだ見たことがない人にとっても見逃せない企画」と謳う。ロンドンへ行く機会があれば、ぜひ一度足を運んでみては?

ロンドンから遠く離れた東京で、サイトを画面上で見るだけで物足りないのならば、3/24(土) — 25(日)に行われる一夜限りのアートの饗宴、「六本木アートナイト2012」にぜひ参加してほしい。六本木のあちらこちらに、草間彌生の作品が出現するだけでなく、前衛芸術家が“日本復興の力”のメッセージとして制作された作品が多く見られるだろう。

ルイ・ヴィトン×草間彌生特設サイト
http://www.louisvuittonkusama.com/

テート・モダン オフィシャルサイト
http://beta.tate.org.uk/whats-on/tate-modern/exhibition/yayoi-kusama

六本木アートナイト2012
www.roppongiartnight.com

執筆:Mark Birtles

翻訳:小堤 明日香

2012年3月11日