Okkervil River – インタビュー

Okkervil River in Japan for the first time – Interview Main Image

Okkervil RiverはHostess Club Weekenderの出演者として来月に来日する。常にホステスクラブウィーケンダーは安定した実力を見せるバンドと才能を現し始めた新人バンドをうまい具合にミックスしたラインアップを提供してくれる。日本にいる音楽ファンはOkllervil Riverを後者と理解しているかもしれない、なぜなら今回が彼らの初来日となるからだ。しかし真実はそれとは正反対である。テキサス、オースティン出身の彼らは、1998年から活動をはじめ、故郷のSXSWフェスティバルで最初のブレイクを果たす。それ以来7枚のアルバムをリリース、メンバーチェンジを繰り返し、The Decembrists、The National、そしてLou Reedの前座としてツアーをまわり アメリカとヨーロッパ、2大陸での成功を果たす。日本でのデビューを前に、バンドの創設者であり、ボーカルでありソングライターであるWill Sheffに来月の来日ライブとニューアルバムSilver Gymnasiumについて聞いてみた。

Hostess Club Weekenderの出演者として来日することをどう感じていますか?

すごく楽しみだよ。日本に行ったことはないけど、ずっと行きたいと思っていたんだ。たくさんの素晴らしいバンドと一緒にライブできるのは光栄だし、待ちきれないよ。

今までの日本の経験はどんなものでしたか? カルチャーショックはありましたか?

日本に行ったことないから、日本の印象といえばテレビ、映画、本や周りの人に聞いた話からできあがったものしかない。日本に行ったバンドに話をきくとみんな最高の経験だったて言ってるからすごく楽しみなんだ。

ここ何年かメンバーチェンジがありましたが、バンドにどのように影響していますか?

メンバーチェンジがかなりあったのは、メンバーに子供が生まれたり、人生により安定した仕事を求めていたメンバーがいたからなんだ。ツアー生活がみんなに向いてるわけじゃない。僕は変化はいつも歓迎することにしているんだ。変化と争ってもエネルギーの無駄使いだからね。新しいメンバーが入ることによって、違う要素が僕らの音楽に加わり、予想もしていなかった方向に行く、それは素晴らしいことだよ。バンドの音楽が100パーセント、リーダーの美的感覚に委ねられるとそのうち退屈なものになると思う。

Silver Gymnasiumは7番目のアルバムとなりますが、今までの作品との違いはどこですか?

新しいアルバムは今までより暖かく、フレンドリーで楽しいものになってると思う。僕たちはこのアルバムをドライブに最適な楽しいロックンロールにしたかった。前回のアルバムはもっとずっと暗く、鬼気迫る雰囲気だったんだ。毎回アルバムを作る時は前と同じことを何度も繰り返すんじゃなくて違うことに挑戦したい。今回はOkkervil River史上一番暖かくオープンで自由奔放なアルバムになったと思う。

このアルバムは子供の頃の経験、成長、ということをテーマにしていますね。気に入っている子供の頃のエピソードはありますか?

このアルバムでは子供の頃を振り返っている。僕の個人的な思い出を世界中に伝えたかったというよりは実体験を元にすることが、リアルな感情がこもった本当に意味のあるものを作る確かな方法だと思ったんだ。本当は、こんなに自分の子供時代について話すのは音楽制作のためじゃなければきまづいよ。いい思い出もわるい思い出もいっぱいこのアルバムに詰め込んだんだ!

アルバムの一部として故郷のインタラクティブマップを入れましたね。この新しいアルバムはインタラクティブ(双方向的)といえますか?

このアルバムが人々にとって意味のあるものになればいいなと思っている。そしてそれは双方向的であるということだと思う。僕は人々の、それぞれが持つイマジネーションの世界にあうような作品を作るのが好きなんだ。

アルバムのためにビデオゲームも作りましたね。どうして作ろうと思ったのですか?

ビデオゲームがアルバムの世界観を広げてくれると期待しているんだ。地図も同じことだよ。最近のアートで僕が一番好きなのは、人々の夢に何らかの形でコネクトするような巨大な包囲的世界を作ろうとしている点だ。

バンドをマーケティングする方法という点でGene Simmons を尊敬していると読みました。どんなところを尊敬しているのですか?

僕は特にKISSのファンではないし、人間としてGene Simmonsを尊敬しているわけではない。でも本当にさ、KISSをひとつの現象としてみると面白いと思うんだ。彼らは粗悪な安っぽいフィギュア、ベルト、おもちゃ、漫画、映画などのバンド関連商品をプロモーションの一部として作った。それを買うことで、ファン(特に小さな子供)はイマジネーションの世界にはいりこむってわけだ。それは一種、KISSと子供たちのコラボレレーションの世界。「スターウォーズ」も同じ理由で好きだよ。こういうものは日本にもいっぱいあるよね。漫画やおもちゃ、映画が互いにリンクすることによって、オリジナルの作品より大きな世界観が生まれ、いうならば、作品が自動的に個人的な体験になるー面白い現象だ。

最後に、Hostess Club Weekenderに来るけれどもまだOkkervil Riverを知らないかもしれない人に対して、バンドの魅力を一言でまとめてください。

僕たちはライブで演奏するのが大好きなんだ。僕らのライブでは何が起こるか予測はできない。ーリアルなものを目指している。

Okkervil Riverは、11月30日東京で開かれるHostess Club Weekenderに出演予定。詳細と前売り券の情報はHostess Club Weekenderでチェック

執筆:Mark Birtles

翻訳:南 のえみ

2013年11月7日