Will Saul DJ Kicks

Will Saul DJ Kicks Main Image

John Talabotの2013ミックスとMaya Jane Coles、Maceo Plex、Breachなどの有名人に続くのは、あの!K7 DJ-Kisksシリーズのミックスを引き継ぐAus MusicとSimple RecordsのボスであるWill Saul だ。

英国人、Saulは忙しい12ヶ月間を過ごした。2013年、私たちは知名度の高いScubaやAppleblimなどとコラボしたアバンギャルドなダンスポッププロジェクトのデビューアルバムCloseのリリースに立ち会えただけでなく、ロンドンの影響的なクラブFabricなどで彼らのデビューライブを見ることができた。もちろん、それと同時に彼はアンダーグラウンドハウス、ベース、テクノなどの新しい才能を育てつつ、昔からのアーティストと、幅広くレーベルを進化させ続けた。

「自分がどうDJするかを象徴できるようなミックスを作りたかったんだ。ほとんどのセットは自分だけで作っているということ、まだレーベルからリリースされていないもの、これからでてくる音楽をね。」とSaulは言う。「DJとしてユニークだと思ってもらえたら幸いだ。誰も聞いたことのない音楽を流すDJってだけじゃなく、レーベル側としてサインしたいぐらい大好きなアーティストや曲を流すことで、自分が本当に好きなエレクトロニックミュージックを紹介したい。」

Will SaulのDJ-Kicksは彼のDJセットが凝縮されたものとなっている。ワームアップからヘッドラインまでのすべてを楽しめる。流行を生み出すレーベルのボスの、新人にせよ、無名にせよ、成功している人にせよ、一緒に働いているプロデューサーという視点からみて、最近の凝っている音楽が収録されている。「一番身近で親しい人達にエクスクルーシブなトラックの仕立てをするために集まってもらったんだ。理想は20年前にミックスを聞くのが大好きだったあの頃の、あの未知の局面、ひとつひとつのトラックが驚きだったような感覚を再燃させることだね。すべての音楽、トラック、ID、そして無数のミックスがボタン一つ押せば見つかるような時代だからこそ、これが面白いものになると願っているよ」と説明する。

ミックスはPaul自身が手を施した3曲のうちのひとつで始まる。Komonとのコラボレーションでできた作品だ。”Bendy”はビートレスでべたつくシンセのスケッチがAnimal Handsのように陽気で春らしい。そこからたくさんのレーベルの仲間達が進出した。スパイクとアフロの影響、Cottam。柔らかいディープなハウスのYouandewan。 最高にスィングなグルーヴのSei A。Gerry Readは’Baseball’で典型的なロウジャムを披露し、Octoberはどれだけテクノがディープになれるのか証明した。AUSレーベルとSimpleレーベルから離れ、導入されたMarquis Hawkes、 Legowelt,、Waltonが全体像にぴったりとフィットする。Bicepの音楽が更に刺激的な進化を遂げていることは’Nova’を聞けば分かるだろう。

Will Saulと彼のレーベルのスタイルにふれてみると、彼のDJ-Kicksはひとつの場所に留まらないことがわかる。それどころか、素早く、首尾一貫して色々な色調と音の中を移動する。結果的に言えば、それがシリーズには必要不可欠なのだ。

Will SaulのDJ-Kicksは6月にCD、2x12”、デジタル版でBicep、 Jabru、 Marquis Hawkes、Leon Vynehallとの4つのエクスクルーシブなフューチャリングが含まれたスペシャルEPとして発売される。

執筆:Mark Birtles

翻訳:南 のえみ

2014年5月20日